!本サイトはプロモーション・広告を含んでいます。
「食育」が定着してきた影響で
、学校給食をはじめとして様々な分野で食事の重要性が重視されるようになってきました。
食べることは、生きることの基本。
子どもたちにとって、
食育を学習の一つとして学べる環境はとても良いことだと思います。
一方で、子どもたちの親・祖父母の世代の中には、
たまにとんでもない食生活をしている人がいます。
職場で栄養相談をしていても、一体今まで何を食べて生きてきたんだろうと、
話を聞けば聞くほど驚かされるようなこともあるんですね。
それでなくても、基本的な食事の摂り方自体が定着していない人が多く、
治療食以前に食事の必要性から話していかないといけないケースもあるんです。
しかし、中にはお子さんがいても
自分の食生活を省みない親御さん世代がいるのも事実です。
今回の記事では、知っているようで知らない「食事の基本」を書いてみます。
当たり前のことが書いてあるようですが、あなたの食生活で意外に抜けていることがあるかも!
親世代以降は「食育」を受けていない?
国が本格的に「食育」を始めたのはごく最近のこと
食育の代表的な舞台は学校給食です。
給食の最初は、山形の学校でのこと。
お弁当を持ってこられない貧しい家庭の子どもたちのために
学校が食事を用意したことが始まりです。
戦時中は一時中断されましたが、
戦後の食料困難で児童の栄養不足が表面化します。
昭和29年に「学校給食法」が制定、ユニセフの協力もあり、
一部の県で給食が試験的に再開された後、全国で本格的に実施されるようになっていきました。
高度経済成長期を超えて異文化の交流も盛んになり、
日本の食生活は激変していきます。
今までの日本人とは比べ物にならないくらいに
食のジャンルが増えていきました。
日本ほど多国籍な料理を楽しむ国はないのではないでしょうか。
選択肢が増えるのはいいことです。
一方で、食べ方・選び方によっては健康を害することもあります。
生活習慣病が増え続けているのも、食の氾濫が原因の一つといえます。
そんな中、幼少時から食事の摂り方を学ぶ機会として
学校給食を活用する動きが徐々に高まります。
平成16年に「栄養教諭制度」が創設、翌年の平成17年に「食育基本法」が制定され、
学校給食全体で取り組むようになったのです。
親の世代や祖父母の世代は、
当然その恩恵を受けていません。
それぞれの家庭の価値観や好みに大きく左右された食生活を
送ってきた人も少なくないのではないでしょうか。
もちろん、全ての人がテキトーに食べてきたとは言いません。
ただ、法律に基づいた基準や教育を受けるのとはやはり違ってきます。
栄養相談をしていても、ネットで見て栄養に関する知識がある人は多いです。
でも、どうやって調理したらいいか分からないとか、外食でもどのメニューがいいか分からないとか、
実践に結びついていない人も一定数います。
野菜の調理法や外食時はセットメニューにするとか、
結構当たり前のことを話しても「へ~!」と初めて聞いたようなリアクションなのでこちらが驚きます(笑)。
どんなことも「教育」は大事だと痛感しますね。
食育を引っ張る「栄養教諭」の存在
以前は「給食センター」で一括調理し、
地域の各学校に配送する方式がメインでした。
現在は学校内に調理室があって出来たてを提供する方式が増えています。
センター方式でも学校内調理でも、
必ず(管理)栄養士が在籍して献立作成や調理指導などを行っています。
その他に前述の「栄養教諭」も在籍している学校もあります。
栄養教諭の配置に関しては都道府県の裁量に任されているので、
必ず在籍しているとは限らないようですが、数は増えてきているようですね。
「栄養教諭」は、栄養士と教員の資格を両方持っている資格。
管理栄養士養成課程を卒業し、
なおかつ教員としての科目も履修して教育実習も行います。
ちょうど私が大学3年か4年のとき(もう10数年前です)に新設された資格です。
当時はカリキュラムの整備が整っておらず、
管理栄養士専攻の講義と学校の先生の講義を単純に2倍聴かなきゃならなかったので無理ゲーでした。
大学4年となれば、国家試験対策でスーパー追い込みの時期。
他の講義を受けてる余裕なんてございません。
私はもともと病院勤務志望で興味がなかったのでいいですが、
学校給食に携わる仕事を志望している同期は悔しがっていました。
献立作成一つとっても、地域の特産品を使ったり(地産地消)、
日本伝統の行事食を取り入れたりとバリエーション豊か。
調理を伴う現場だと調理室か事務室にこもりがちな仕事。
栄養教諭の場合は授業を行ったり子どもたちと直接触れ合うことも多く、
学校の専門授業の先生といった位置づけです。
私達が小学生だった頃はなかった環境ですよね。
栄養士=給食のおばちゃんでしたから。
こうした職種が活躍しているのも、
国が本腰を入れて食事について取り組み始めたから。
その前の世代にとっては、
教育の差が出てしまうのは仕方ないことでしょう。
勘違いされがちな「健康」に関すること5つ
巷には「健康」に関する情報があふれています。
正しい情報を見極めることの難しさもありますが、
何と言っても「健康」に関する情報は今もアップデートの最中。
ここに来て新しく見つかる栄養素もありますし、
すでに発見されている栄養素でも今まで知られていなかった効果が確認されることもたくさんあります。
要するに、「健康」に関する情報はピンからキリまであるということ。
確立された情報から未確認の情報まで、
一律に発信されているということですね。
その中で興味があること・自分でもできそうなことに手を付けていくのは当然のこと。
ですが、中にはちょっと勘違い気味の健康法に突進する方々がいます。
また、情報を都合よく解釈しちゃう人も多数。
「大人の食育」と題うっていますが、
一般的な「食育」に関しては文部科学省や農林水産省のHPでも見ればよく書いてあるので読んでください(笑)。
ここでは、栄養相談業務の中でよく聞く「健康法」について、
誤解されがち・混同されがちだと感じたことを書いてみます。
野菜が嫌いなので、代わりに野菜ジュースで栄養満点!
これは△。
ただの水や清涼飲料水よりは栄養はあります。
食物繊維やビタミンが付加されている商品も多く、
口当たりも飲みやすいので使っている人は多いかもしれません。
ただ、だからといって水代わりに飲むと病気の原因にもなりかねません。
多くの商品には糖質も一緒に含まれているので、
飲みすぎは体重増加の原因になりやすい側面もあります。
そこから生活習慣病へまっしぐら・・なんてことも。
コップ1杯程度を朝食時に飲むのが効果的です。
朝はこれから体や頭を動かす時間帯なので、
むしろ糖質をしっかり摂ったほうがいい時間帯。
そこに上手く取り入れましょう。
その逆で、夕食時や寝る前に飲むのはオススメできません。
就寝時はエネルギー消費が低くなるので、
使いみちのない糖質やカロリーは体に溜まりやすくなります。
成人の野菜摂取の目標は350g程度。
両手にもっさり乗る程度なので、これを毎日摂るのは大変なのは確か。
ただ、その量があの小さいジュースだけで軽々摂れると思いますか?
たとえ摂れたとしても、
普通に野菜を食べるのとは決定的に違う点があります。
それは「噛むか、噛まないで飲むか」の違い。
これがすっごく大きい!
ものを噛むことで、
口の周りや顔全体の筋肉を使います。
若いうちは気になりませんが、
歳を重ねてくると体全体の筋肉量そのものが落ちてくる傾向にあります。
中でも、食べることに関係する口周りの筋肉低下は栄養不良の原因につながることもあります。
ものが噛めなければ食べられないんだから、そりゃそうですよね。
高齢になってから筋肉を鍛えるのは大変なこと。
なので、若いうちからものを噛む機会を増やすべきだと思っています。
自分のお子さんには「よく噛みなさい!」なんて言いながら、
自分はすぐに飲み込んでいませんか?
水の代わりにガンガン飲むのはNG!
飲むなら朝食で他のものと一緒に飲みましょう!
野菜は「噛む」ことも大事!
まだ若いから大丈夫!
これは✕。
病気に年代は関係ないです。
いわゆる「好発年齢(症例数が多いと言われる年代)」はありますが
それ以外の年代で起きない保証はないんです。
実際のところ、
生活習慣病発症の若年化が進んでいると感じています。
私は病院で糖尿病の集団指導もやっていますが、
参加する患者さんの年齢層が変わってきていると思います。
以前は70代くらいの患者さんが主でしたが、
現在は20~40代くらいの患者さんが圧倒的に増えています。
高齢の患者さんが若い患者さんに「あんたも若いのに大変だねぇ」としみじみ言っています(笑)。
あなたも大変なんですけどね・・。
若い時に発症すれば、それだけ病気との付き合いも長くなります。
また、期間が長くなればなるほど合併症のリスクも増します。
ある意味、
高齢になってから病気になるより苦しい道のりになるのではないでしょうか。
生活習慣病に関しては、
ある時突然に血液検査の数値が異常値になるわけではありません。
「高め」とか「要注意」みたいなことを最初に言われます。
その時点で気をつければいいものを放置するので、
最終的に発症してしまうことがほとんどです。
何の前触れもなく異常値に跳ね上がるようなら、
生活習慣病ではない他の病気である可能性もありますが・・。
若ければ若いほど、食事や健康以外のタスクが多いもの。
仕事に恋愛。
家庭、子育てや娯楽。
楽しいことを楽しめる体力・気力ともに充実しているため、
ついつい健康のことは年齢を理由に後回しにしがちです。
でも、それが未来の自分の健康を損なうかもしれないということを知っておいて欲しいのです。
そう遠くない将来に、生活習慣病を発症してしまうかもしれないんです。
そういう患者さんを多く見てきました。
若いうちから少しずつ体を気遣う生活をしていっていただけたらと切に思います。
病気に老いも若いもない!今日からできる範囲で食事を整える心がけを!
あまり気にせず食べてるけど、別に何ともない
これは✕。
前述の若い世代にもありがちな考え方ですが、
これは危ないです。
また、中年以降の世代では「今まで一度も病気なんてしたことないから大丈夫!」
なんて自慢げに言う人もいますが、これもこれで危ない。
ある程度重症化するまで自覚症状が出ない病気もたくさんあります。
水面下で病気が進行しているかもしれないのです。
糖尿病が代表的ですね。
血糖値が高いだけでは何の症状もありません。
が、突然牙をむくのが糖尿病。
目が見えづらいとか、足が痺れるとか、何かおかしいな・・と思ってももう遅い。
放置していたことでコップの水があふれ、重症化した自覚症状として現れてくるんです。
中には突然意識を失って救急搬送され、
調べてみたら高血糖で意識が混濁していたなんてことも結構あるんです。
しかも、こういった劇的な症例は若い人にも多くあります。
私が見た中で一番若かったのは19歳の大学生です。
仲間との飲み会の後に倒れたので急性アルコール中毒が疑われましたが、
調べてみるとかなりの高血糖。
遺伝子異常はなく、
生活習慣に起因する2型糖尿病であることが分かりました。
よくよく聞いてみると、
たびたび眠気に襲われたり、冷や汗が出たりすることがあったとのこと。
低血糖と高血糖を繰り返し、
血糖値が日常的に乱高下していたことが分かります。
ということは倒れる前から、
少なくとも19歳以前に2型糖尿病を発症していたことになります。
下手したら高校生の頃からかもしれませんね。
もちろん、遺伝的な素因もありますので、
全員が全員高校生からリスクがあるわけではありません。
ただ、病気が他人事だと思ってほしくないのです。
病気は高齢者のものではありません。
誰にでも、どんな年代にも起こりうることです。
感染症のようなものは、
若いうちは体力・免疫力が高いので防げるかもしれません。
でも、生活習慣病は日々の積み重ねが現れてくるもの。
年代に関わらず、日頃から食生活を整えておくことでしか予防できないということを
知っておいていただきたいです。
気が付かないうちに病気が水面下で始まっているかも!注意するに超したことはなし!
足りない栄養はサプリメントでOK!
これは△~✕。
なんとも曖昧(笑)。
そもそも、
なぜ「栄養が足りていない」と思うのかが問題です。
- 食事を3食食べていないから
- 食事量が少ないから
- 好き嫌いが多いから
- 時間がないから
- 野菜とか果物を食べてないから
- 何となくそんな気がするから
理由がさまざまだと思いますが、
大前提として規則正しい食事を整えることが先決。
食事は生きていくことで基本的な事項です。
そのために環境を整えるのも生きていく術だと思います。
何も毎食豪華な定食スタイルで食べようというわけではありません。
例えば朝食を抜きがちな場合には、
ロールパン1個・バナナ1本でもいいので何かしら食べる習慣をつけてみるだけでもOK。
食が細い人は無理して詰め込まず、
サンドイッチのように少量でもいろいろな具材が入っているものを選ぶようにすればOK。
完璧な食生活は必要ありません。
できる範囲での改善で十分です。
まずは「取り組む」ことが重要。
自分でできるところまでやってみて、
それでも足りないと思うならサプリメントを使います。
少し系統が違いますが、
いわゆる「青汁」のようなものも似たような扱いです。
そのイメージゆえ「これさえ飲んでいれば大丈夫!」と思われがちですが、
やはり食事を「補う」程度のものだと思っていただきたい。
テレビの某CMでお弁当に添えてるシーンがありますが、
あれが正解です。
食事にプラスするというスタンスがいいですね。
一方で、サプリメントありきで考えることもあります。
筋トレ後のプロテインなど、特定の時間に集中的に摂る目的だったり、
女性の妊娠・授乳期など必要栄養量が飛躍的に上がるときなどはサプリメントは必須と言えます。
基本は3食の食事をきちんと摂る!サプリメントは時と場合による!
糖質をやめたら(減らしたら)痩せた!
これも△~✕。
同じくケース・バイ・ケースです。
「減らした」のと「やめた」のでは話が違います。
まずは「減らして痩せた」。
周りの話を聞いていると、
もともと摂りすぎていた糖質を抑えることで、摂取量が適正化されただけのことが多い印象。
年齢や体格、活動量に見合った量になれば痩せるのは当然。
これはこれで良いことです。△より◎に近い。
問題なのは「やめて」痩せた場合。
糖質は悪者のように思われがちですが、
命をつないでいく上で重要なエネルギー源です。
極端な制限は筋力低下など悪影響を招く可能性もあります。
極度の制限によるダイエットは将来的にリバウンドしやすく、
かえって痩せにくい体になってしまう懸念も。
こちらの記事で詳しく書いています。
糖質って本当に悪者?実は減らすと危ない、糖質の知っておくべきアレコレ
糖質制限をやるとしたら、間食で行うのが最も安全です。
お菓子を糖質制限された商品にする、
ナッツなどもともと糖質量が少ない食品を取り入れるといいですね。
美味しさと素材にこだわった低糖質パンとスイーツの専門店「フスボン」
過度な糖質制限は後々痛い目を見るかも?適正量は摂るようにしよう!
まとめ
誰しも病気にはなりたくない。
健康でいたいのは当たり前の希望です。
一方で、美味しいものがたくさんある世の中。
いろんなものを好きなように食べたいのも当たり前。
しかし、度が過ぎてしまうと健康を害する危険もあります。
日々食べるもので健康維持できれば言うこと無いし、
いろいろ試してみるのも楽しいものです。
情報は正しく理解して取り入れることが重要。
過信したり都合よく解釈していると逆効果になりかねませんからね。
振り回されるのではなく、
上手く活用して健康な生活を手に入れましょう!